3D プリンターソフトウェア OctoPrint がPi Imagerで利用可能に

OctoPrintとは

現在販売されているほとんどの一般向け3Dプリンターはプリントの機能のみに特化しているため、残念ながら無線LANやWifi等のネットワークへ接続機能を持っているものはごくわずかか高価な製品だけです。

しかし、3Dプリンターを遠隔で操作可能となれば利便性の面で大きなメリットがあります。

OctoPrint.org
OctoPrint is the snappy web interface for your 3D printer that allows you to control and monitor all aspects of your printer and print jobs, right from your browser.

そんな夢を叶えるソフトウェアが OctoPrint です。

OctoPrintの機能
  1. Webインタフェースから印刷
  2. カメラにより現在の状態を確認
  3. リモートから印刷の停止や再開
  4. X/Y/Z軸全てのコントロール
  5. STLファイルからのスライス機能等も

3Dプリンターによってはかなりの騒音が発生する場合もあり、別の部屋や離れた場所に設置されていることもよくあります。

そのため印刷ミスが発生し放置された状態となると、いわゆるモジャが発生してしまいノズルは高温のため最悪火災の危険性があります。

小さめのかた焼きそばの例

私が利用している3Dプリンター Ender 3 v2 はそれなりに静かで作業の邪魔になるほどでも無いため、パソコンデスクの隣に置いて使ってます。

騒音以外にも

ちなみに騒音以外にも、フィラメントが微粒子状になったものなどが放出されているとのレポートもあり空気の品質的にも生活エリアとは別の場所への設置が良いようです。
しかし自分自身はまだ空気が悪いと感じた事は無いものの真横で空気清浄機を1ヶ月程回しておくとフィルターが使っていたフィラメント色っぽくなっているような気もしないでもない・・

OctoPrintを使うためにはハードウェアが必要

OctoPrintはあくまでもソフトウェアのみであり、OctoPrintを動かすためのハードウェアつまりパソコンが必要になります。

しかしパソコンを3Dプリンターで印刷・モニターするためだけに利用するのは勿体無いのでラズベリーパイのような小型・省電力ボードの利用が一般的です。

Raspberry Pi 4 - Photo by Vishnu Mohanan / Unsplash

ラズベリーパイとは

一言で言うと安くて小さいパソコンです。

値段が・・
残念ながら半導体不足の影響を受け値段が高騰していますが、本来ラズベリーパイは単体で5,000円程度から購入できる製品になります。

名刺より一回り大きいシングルボードコンピューターで、基本的にスマホと同じようなパーツ構成となっています。

しかしラズベリーパイはれっきとしたコンピューターなので、LAN/USB/micro HDMIポート等が利用できさらには無線LANやBluetoothも利用することが可能です。

記事執筆時の最新版である Raspberry Pi 4はメモリによって価格が異なりますがOctoPrint は Raspberry Pi 4 (2GBメモリ)で十分に動作します。

Raspberry Pi 4 Model B - Photo by Vishnu Mohanan / Unsplash
MEMO

カメラを利用したタイムラプスの撮影やプリントベッド測定などを行うためにはハードウェアが必要になります。

Raspberry Pi Imagerに登場したOctoPi

ラズベリーパイでは標準OSとして Debian ベースの Linux である Raspberry Pi OS が採用されていますが、レトロゲームコンソール用のRetroPie やメディアボックス用の OSMC 等様々なOSを利用することができます。

Emulation and Game OS on Raspberry Pi Imager v 1.6.2
イメージとは

ラズベリーパイではMicroSDカードをストレージに採用しているため、MicroSDカードがHDD/SSD代わりになります。そのSDカードへOSをインストールした状態をそのままファイルとして書き出したものがディスクイメージと呼ばれます。

登場した OctoPi

Octo print のラズベリーパイ版は OctoPi と呼ばれるものになります。

OctoPrintのツイート

Raspberry Pi Imager のOS選択画面でOctoPiが選択できるようになっています。ナイス!

これまでラズベリーパイで使えなかった?

これまではイメージファイルをユーザーが自らダウンロードして、書き込みを行う手順が必要だっただけで利用はもちろん可能でした。今回Raspberry Pi Imager のリストに入った事によりその手順が必要なくなっただけです。

まとめ

書き込みが簡単に
Pi Imagerを起動して選択するだけの手順になったため、インストールが楽になりました。
あまりにも便利
3Dプリンターは騒音問題が発生しやすいので、このように遠隔で管理できるようになると非常に便利ですね。