Raspberry Pi Zero 2 W発表
超小型ラズベリーパイのZeroシリーズがアップデートされ、ケースによってはRaspberry Pi 3 B+とほぼ同等の性能になりました。
待望のRaspberry Pi Zero Wの新モデルが発売開始されました。
記事執筆時点では日本での発売時期は未定でしたが、2022年に発売されました。
要約すると
5年ぶりのアップデート
Raspberry Pi Zero シリーズは 2015 年に初めて登場し、一番最初のモデルではWifiやBluetoothがついておらず、用途としてはOSが動作する高性能コントローラー代わりに留まっていました。
しかしその後 2017年にWifi/Buletoothが採用された Pi Zero W の登場で、活用できるケースが大きく広がりました。
しかし、2021年現在販売されているデバイスとしてはCPU性能が明らかに低く、およそ5年間も更新されていないことからこのまま販売終了になるのでは?との憶測まで飛び交う状況でした。
Raspberry Pi Zero W が発売されたのは 2017/02/28 です。
性能が大幅に向上
今回のアップデートにより SoC が Raspberry Pi 3 で利用されているものとほぼ同一になり、CPUクロックは Pi 3 の 1.2GHz から 1GHz へとダウンクロックされているもののCPUが4コアとなった事によりトータル性能は大きく向上しています。
- System on a Chipの略
- CPUや外部インタフェースなどを一つのチップにまとめたもの
- 1つにまとめられているため省電力・省スペース
- Pi Zero 2 W の SoC(system-in-packageと表現されている)は RP3A0
You’ll also notice Raspberry Pi 4 is only marginally better than Pi Zero 2 W, and there’s an easy explanation the Pi 4 was naked at the time, with the firmware lacking optimizations released later on. That just means the Raspberry Pi Zero 2 W performs well without heatsink even in a room at about 28°C.
また CNX Software の検証結果ではリリースされた当初の Raspberry Pi 4 と比較してもわずかに Pi 4 が上回る程度となっているようです。
CNX Software のサイト(https://www.cnx-software.com/2021/10/29/raspberry-pi-zero-2-w-mini-review-benchmarks-and-thermal-performance/)では詳細な比較が行われているため興味がある方は是非チェックしてみてください。これはPi 4の最適化が遅れたという理由はあるものの、リリース当初の Pi 4 と当程度のパフォーマンスを28cの室内温度で発揮できるという事でなかなか興味深い結果となっています。
Raspberry Pi 4 はその後ちゃんと最適化が施されています。詳細はコチラ(英語)
これはかなり期待できる!
消費電力は増加
Pi Zero 2 W に必要となるUSB電源アダプタは 5V 2.5A となり旧バージョンの 5v 1.2A と比較しほぼ2倍の電源供給が必要となります。
性能差を考えると妥当と言わざるを得ないものの、負荷を掛けて運用した場合およそ半分程度の駆動時間になるものと予測されるためバッテリーで駆動の場合は注意が必要です。
Micro-USBが継続
おそらく以前のバージョンとの形状互換性を保つためにUSBコネクタ、電源コネクタ共にMicro-USBが継続採用されています。
しかし現時点では Micro USB を電源入力として利用するデバイスは大幅に減少しつつあり、Raspberry Pi 4で採用されたようにせめて電源はUSB-Cコネクタであった方が良かったと思います。
またメリットとして、旧バージョンであるPi Zero Wのケース等をそのまま利用可能です。
GPIOピンヘッダーは付属せず
現在販売されているバージョンではピンヘッダーが付属していないものだけのようで、はんだ付けか、はんだ付け不要のアクセサリーを利用する必要があります。
旧 Raspberry Pi Zero W も発売開始からしばらく経過した後にピンヘッダーがハンダ付けされたバージョンが発売されているため、今回の Zero 2 W もそれに続くものと思われます。
技適は未定
残念ながら今回もまだ技適未取得となるため、正式な販売はまだなされませんが、個人輸入等により購入された場合、"技適未取得機器を用いた実験等の特例制度"により申請する必要があります。
また、Jeff Gerrlingさんのポストでは現時点の Pi Zero W は以下の通りシルク印刷も見当たりません。
(上)Raspberry Pi Zero 2 W
(下)Raspberry Pi Zero W
この影響により日本国内での正式発売まではまだまだ時間がかかりそうですが、サイズとスペック、そして値段もなかなかナイスなのでかなり期待できるデバイスとなっています。
このサイズとスペックでこれまで以上にコンパクトな製作が出来そう!
References
- Raspberry Pi Zero 2 W https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-zero-2-w/
- Raspberry Pi Zero 2 W mini review – Benchmarks and thermal performance https://www.cnx-software.com/2021/10/29/raspberry-pi-zero-2-w-mini-review-benchmarks-and-thermal-performance/
- Pi Zero W and Pi Zero 2 W via @geerlingguy https://twitter.com/geerlingguy/status/1453852407046213633
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