Raspberry Pi 4 2GB が一時的に値上げ

低価格のシングルボードコンピューターラズベリーパイが世界的な半導体不足による影響で一部の製品を一時的に値上げしました。

Raspberry Pi 4 2GB が一時的に値上げ

要約

半導体不足による製造コスト増加
製造コストが増加したことにより、昨年$45から$35へ値下げした Raspberry Pi 4 2GBモデルを一時的に$45としました。
Raspberry Pi 4 1GBモデルが復活
販売がすでに停止されていたメモリ1GBモデルを$35として、販売を再開しました。
市場への流通量はまだまだ不足している
2021年10月時点ではラズベリーパイ単体ボードもAmazon等では売り切れになっている場合も多く、すでに流通している在庫はかなり限定的となっています。
2022年中はこの状況が継続すると予測
来年もこの状況は継続する見込みですが、徐々に改善される兆候はみられてるとしています。
Supply chain, shortages, and our first-ever price increase - Raspberry Pi
As many of you know, global supply chains are in a state of flux. In our own industry, semiconductors are in high demand, and short supply.

ラズベリーパイの需要増加

世界的なコロナウィルスによる影響によりプロダクトの製造プロセスも大きな影響を受けました。

ラズベリーパイはテレワーク等にも活用されており、一層と需要が増加しています。

But despite significantly increased demand, we’ll only end up making around seven million units in 2021: pretty much exactly what we did in 2020.

しかし、ラズベリーパイは大幅な需要の増加に対し、2020年とほぼ同じとなるおよそ7,000,000個の製造に留まっています。

これは需要に対してあきらかに製造が追いついていない状況であり、実際Amazon等のエンドユーザーが購入できるサイトではすでに入手が困難な状況となっています。

MEMO

Amazon等では需要の増加により価格が高騰しており、本来は5,000円程度で販売されていたRaspberry Pi 4(2GB)が、需要と供給のバランスが崩壊した結果1万円を超える価格で販売されています。

The result has been a shortage of some products, notably Raspberry Pi Zero and the 2GB variant of Raspberry Pi 4.

また、大きく影響を受けた製品は Raspberry Pi Zero と Pi 4 2GBモデルでした。

道理でPi Zero 買おうと思ったのに在庫が無かった訳だ・・

一度値下げした 2GBモデルを元の値段に

Raspberry Pi 4の 2GB モデルは昨年$45から$35へ値下げを行いましたが、半導体不足による製造コスト増加によりこの価格は実現できない見通しとなったため一時的に元の価格である$45へ値上げを行いました。

あくまでもこの値上げは一時的なものとなるようです。

Unfortunately, cost increases caused by the current shortage mean that this product is not currently economically viable at this reduced price point. We are therefore moving it back to $45 on a temporary basis.

いつこの状況は改善するのか?

この状況は 2022年中は継続すると予測されており、特に 40nm プロセスで製造されている半導体が影響を受けます。

We’re now expecting our supply chain challenges to continue through much of 2022. These challenges will fall most heavily on our older products, built on 40nm silicon

Pi 3B+ ユーザーは Pi 4への移行を

40nmプロセスの半導体不足により古い製品が影響を受けており、Pi 3 B+を利用している顧客は 28nm プロセスで製造されている Pi 4への移行が勧められています。

28nmプロセスで製造される Raspberry Pi 4およびCompute Module 4は、Raspberry Pi 3B+から移行するお客様の両方をサポートするのに十分なを確保できるとしています。

MEMO

40nm/28nmとは半導体の製造プロセスで利用される単位。とはいえ、どの部分を計測して28nmとするか等の規格は存在していないため基本的には数値が小さくなればなるほど細かいプロセスで製造されているという目安になります。
2021年現在は5nmあたりが主流となっている。

we expect to have enough 28nm silicon over the next twelve months to support both our existing Raspberry Pi 4 and Compute Module 4 customers, and customers migrating from Raspberry Pi 3B+; and that we see early signs that the supply chain situation is starting to ease.

ラズベリーパイ以外のプロダクトも

ラズベリーパイ以外のプロダクトも軒並み価格高騰や入手困難な状況が続いており趣味で電子工作をしている私のようなユーザーは生活に大きな支障が発生しています。

Twitterでは基板設計したのにパーツが入手できないといった悲痛な叫びも観測されています。

早く解決してほしい!!!

記事の内容は間違いが無いように気をつけていますが、私の認識違いや、ミスなどにより間違っている可能性もあります。もし発見された場合はお問い合わせフォームよりご連絡頂けると幸いです。