Raspberry Pi Pico W登場

ラズベリーパイPicoシリーズは通常のラズベリーパイとは異なるコントローラー用途のラズパイです。Pico Wでは単体で無線LAN接続が可能になりました。

Raspberry Pi Pico W登場
日本国内未発売
2022/07/22現在、日本国内では技適(工事設計認証)が未取得のため残念ながら発売されていません。海外からの個人輸入による購入が可能ですが、利用には技適未取得機器を用いた実験等の特例制度申請が必要になりますのでご注意ください。
Raspberry Pi Pico – Raspberry Pi
Raspberry Pi Pico is a tiny, fast, and versatile board built using RP2040, the flagship microcontroller chip designed by Raspberry Pi in the UK

ざっくりまとめると

コントローラー用途
Raspberry Pi Pico は通常のラズベリーパイとは異なるコントローラー用途のラズベリーパイです。センサーの値を読み取ったり、ハードウェアの制御に優れていますが、通常のラズベリーパイのようなOSは動作しません。
待望の無線LAN搭載
Pico単体でのネットワーク接続により可能性が大きく広がりました。センサーの値を読み取ってサーバーに送信するような用途もPico単体で実現出来ます。

現時点でのサポートは 2.4GHz 802.11n wireless LAN のみでBluetoothはサポートされていません。

価格は$6
これまではESP32等の競合製品と比較した場合、価格と機能的に特定の用途でしか最適でない印象でしたが、無線機能と価格もかなり抑えられた結果良い選択肢となりそうです。

Raspberry Pi Picoとは

通常のラズベリーパイはModel Bと呼ばれるもので、Linuxが動作する小さなコンピューターです。

Raspberry Pi 4 Model B - https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-4-model-b/

それに対して、Raspberry Pi PicoはOSが動作しておらず、プログラムの実行のみ可能であるため、C/C++やPythonなどの言語で処理を記述します。

そのため開発を行う際は単体では利用ができず、別PCから利用する必要があります。また、Picoのコアとなるチップ(RP2040)は、チップ単体でも発売されており、ホビーユーザーや企業等が製品を開発しています。

Arduino
Raspberry Pi Pico はどちらかというとArduinoのようなコントローラーです。
ラズベリーパイの種類

Model B以外にも、小型化したZeroシリーズや、組み込み向けにモジュール化されているComputeModuleなどがあります。

それに対して Raspberry Pi Pico はOS等は動作せず、外部センサーや機器の制御に特化した製品です。

(左) Raspberry Pi Pico / (右) Raspberry Pi Pico W

低価格かつ、コントローラーとしては高性能なCPUを採用し、PIO等の便利な機能を搭載しています。さらにはオーバークロックも可能です。

誰も定格で動かしてないんじゃないかと錯覚するほど・・・

無線LAN

これまでPico単体では残念ながらネットワークへ接続することができなかったため、開発者が独自にネットワーク接続を行うハードウェアを実装するか、RaspberryPi等と組み合わせて利用する必要がありました。

しかし設計と実装には比較的高度なハードウェアとソフトェアスキルが要求されるため公式からこのような統合された製品が発売されたことにより幅広いユーザーでの利用が期待できます。

また、無線の機能はCYW43439チップが採用されており、無線機能を持たないRaspberry Pi Picoと同一サイズ基板になっています。

CYW43439

このチップは Wi-Fi 4 (802.11n) と Bluetooth® 5.2 をサポートしていますが、現時点ではBluetoothは無効化され利用することができません。RaspberryPi公式記事では今後有効化される予定になっているようです。

Bluetoothが有効化されたら、ワイヤレスキーボードとか作ってみたい。

商用利用も可能

Picoのソフトウェア開発はSDKを利用しますが、このSDKで無線チップを利用するためのlibcyw43ライブラリが採用されています。こちらのライブラリは通常は商用利用不可ライセンスとなっていますが、Pico WやRP2040を利用した場合は商用利用可能なライセンスが適用されるように調整されているようです。ナイス。

MEMO

ソフトウェアのライセンスは開発に大きなインパクトを与えます。商用利用可能なライセンスは企業にとって選択しやすいものになります。

ドキュメントも充実

ラズベリーパイらしくドキュメントもかなり充実しています。サンプルのソースコードや実装例等もあり、優しい印象を受けます。

https://datasheets.raspberrypi.com/picow/connecting-to-the-internet-with-pico-w.pdf

日本では未発売

冒頭にも記載しましたが、残念ながら日本国内では技適(工事設計認証)がまだ終わっていないため発売されていません。発売時期については現時点では未定のようです。

技適の仕組みもうちょいなんとかならないのか・・・

IoT機器としての利用

競合製品としてESP32等がすでに存在し、価格的にもかなりの強さがあります。しかしRaspberry Pi Pico Wでは競合よりも高性能なCPUやPIOなどの強みがあり、これらを活かしたIoTデバイスの道を切り開いてくれる事を期待しています。


References

  1. Raspberry Pi Pico W: your $6 IoT platform https://www.raspberrypi.com/news/raspberry-pi-pico-w-your-6-iot-platform/
  2. Connecting to the Internet with Raspberry Pi Pico W https://datasheets.raspberrypi.com/picow/connecting-to-the-internet-with-pico-w.pdf
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